分析機器で測定を行うと、通常はベンダー固有のバイナリファイルや単純な CSV 形式でデータが出力されます。しかし、これらの形式には「どんなサンプルを、どのような前処理・測定プロトコルを経て、いつ誰が取得したのか」という測定プロセス(トレーサビリティ)が失われやすいという課題があります。
MaiML(Measurement Analysis Instrument Markup Language, JIS K 0200)は、この問題を解決するために策定された XML ベースの標準フォーマットです。
MaiML のルート要素である <maiml> の直下には、役割ごとに明確に分離された4つのセクションが存在します。
<document> (メタデータ領域)<protocol> (測定ワークフロー領域)<data> (測定結果実体領域)ref 属性で参照して紐付けます。
<eventLog> (実行履歴・トレーサビリティ領域)lifecycle:transition="complete" など)を管理します。
MaiML の最大の特徴は、「プロトコル(手順の型)」と「データ(測定の実体)」が独立して存在し、ref(参照ID)によって緩やかに結合している点です。
「共通の測定手順(Protocol)を一度定義しておけば、同じ手順で測定された無数のサンプルに対しては Data と EventLog のみを生成・記録すればよい」
この設計により、機器制御ソフトウェアや自動実験システムにおいて、テンプレート化されたプロトコルファイルを再利用しながら効率的に分析結果をアーカイブすることが可能になります。